総合診療医という選択

総合診療医という選択

Voice 総合診療医のリアル

地域の人たちからのメッセージ

町野 亜古 医師大橋 博樹 医師

都市部でも
ニーズが高い
総合診療医

多摩ファミリークリニック 院長
総合診療医

大橋 博樹

カメレオンのように
場に応じて診療を変える

病院での診療と、診療所の診療とは実は内容が全然違います。病院では医療が中心で、主に精密検査や治療を行ないます。それに対して診療所のほうは、病気そのものの治療もありますが、その人の生活や今後の過ごし方を指導したり、予防したりも重要な役目です。町野先生もこのファミリークリニックと病院とで診療の質を変えて、患者に応じた医療を提供しています。

まるでカメレオンのように、医療環境や設備、その場の人材などに応じてフレキシブルに自分を変化できる事が総合診療医の大事な素養だと思っています。それが病院であれ診療所であれ、コアにある総合診療の考え方さえしっかりしてれば、場に応じた診療が可能です。私たちのプログラムでは、診療所、病院そして在宅まで、どのようなセッティングでも活躍できるようなプログラムが構築されているから、町野先生のような働き方ができるんです。で、その両方を経験することによって、予防から高度医療まで幅広く対応できる総合診療医が育つと思っています。

多様化するニーズに応える
都市部の総合診療医

高齢化が進むにつれ地域的な課題が浮き彫りになってきていますが、医療機関が充実しているここのような都市部にも都市ならではの課題があります。まず独居高齢者の問題があります。独居の方は都市部に多いのですが高齢になると病院に行きたいけれど行けないケースが増えます。地方だと連れて行ってくれる家族や親戚がいることがありますが、都市部ではそうもいかない人が多くいます。ですから、実は訪問診療のニーズは都市部の方が高いのです。また、経済的にも都市のほうがコストはかかるので暮らしに困難を抱える方が多いと言われます。そういう方に対してもきめ細かいケアをしていく必要がでてきています。

もうひとつ都市の課題は、医療機関が多く自由にかかることができる反面、継続してかからないので、いざという時にその患者のことをよく理解する医者がいないという事態になることです。先ほどの話と合わせると、昔に比べてニーズが多様化しているこの時代に、誰かが合わせなきゃいけないとなったら、私たちが合せなきゃいけない。そういう時代になっているんじゃないかと思っています。

先ほども述べましたが私たちは自在にその場や、地域のニーズ、患者のニーズに従って変化していけるように教育を受けています。他の複数の医療機関にかかりながらも、われわれを主治医として「あの先生の所に行けば、全部の情報を把握して私の体のことはなんでもわかるんだよ」という関係性を都市部でも作っていきたいと考えています。お抱えのように診てくれる先生が欲しいというニーズを、開業してみてひしひしと感じていますので。