総合診療医という選択

総合診療医という選択

Voice 総合診療医のリアル

医師たちからのメッセージ

川島 篤志 医師北川 昌洋 医師

日常も、災害時も、
両輪となって
地域をまもる

市立福知山市民病院
地域救命救急センター長

北川 昌洋

地域の医療ニーズを受けとめる
診察力と教育力

われわれ、地域の病院の一番の役割というのは、この地域の医療ニーズをすべて受けとめる、ということだと考えています。そのために必要なのは、しっかりとした診察力を確保しなきゃいけない。その中でも、若手の教育ということも必須になってきます。つまり、いろいろなニーズに応えるためには、若手の先生たちがもっと力をつけるための教育をしっかり用意しておかなければいけないのです。その教育力が、病院の救急とか、病院全体を支えていくのです。実際、救急の現場を支えるのも、やはり若い力、というおとで、総合診療と連携して、研修医教育を意識して行っています。

災害対応では
赤エリアを担う

福知山市の花火大会事故では、45人の熱傷患者が当院に運ばれてきました。病院としては災害対応をとるという決断をして、多くの医師が参集しました。総合診療の先生方も10名以上集まっていただきました。

普通、熱傷の患者さんばかりだと内科の先生ではなかなか手を出しにくいのですが、総合診療の先生方は救急の一部も担っていたし、外科的な処置もある程度できるので、できる範囲でしっかりと診療にあたっていただけたのが、非常によかったと思います。潤沢なマンパワーが確保でき、とにかく献身的に頑張っていただきました。

重傷度の一番高いのが赤エリアでした。川島先生は、赤エリアのリーダーに名乗り出てくださり、全体をまとめたということが事故対応の大きなポイントになったと考えています。川島先生は東日本大震災でのビデオを見て災害時のイメージトレーニングをされていたらしく、「今は診療よりは情報まとめに徹したほうがいい」と判断されたようです。看護師長と二人で情報の取りまとめや全体の指示をされました。災害の時は、情報集めっちゅうのがすごく大事だというのを目の当たりにしました。そこを意識しはったというのがさすがです。

救急と総合診療が
両輪となる

僕、外科で、川島先生が総合内科だったんで、最初は科が違くて、あんまり接点はなかったです。僕は救急に携わるようになったのは5年前くらいなんですけど、その時は総合内科もちょっと増えてきて、お互いに年をとってきて、それなりの立場、僕も救急のトップになったぐらいから連携しはじめましたね。もうその頃までには、救急の内科領域の診察を一手に担うようになってきはったんです。そのくらいからお互いに連携して、って感じです。
地域のありとあらゆる医療ニーズを支えるためには、救急と総合診療が両輪になって踏ん張り続けていくということが必要不可欠だというふう考えています。