医師たちからのメッセージ
新生児も小児科医と
同レベルで診ている
町野先生は総合診療医ですので、小児科も一定期間の研修が終わられていて診療も実際にされていると伺っていましたので、受け入れ側の私たち小児科としては不安はほとんどありませんでした。実際に一緒に働いてみて、さらに「お任せできる」という安心感に変わりましたね。
外来診療はもちろん、病棟診療や当直業務、救急当番も、この病院にいらして1年目の段階ですべてこなされましたので。なにより一人で当直できるというのは、小児科の診療レベルとしてはかなり高いです。経験の浅い小児科医にとって対応が一番難しいケースは、生後一、二カ月の新生児が発熱して受診するというパターンです。さまざまな鑑別疾患をあげる必要がありますし、対応もすごく迅速さが求められるのですが、これも問題ありませんでした。
家族を診るまなざし、
それをささえる教育が根づいている
「家族を診る」というベースが、もうすでに町野先生の中でできているからだと思うのですが、家族背景、家庭背景をとても大事に考えていらっしゃいますね。例えばお子さんが喘息で入院された場合、家族の喫煙の影響や服薬コントロールの大切さなどを家族全員に教育したり、診療したりと、家族単位で診療されているから、そのぶんご家族との距離はすごく近く感じますね。
総合診療医の先生方でもう一つ感心するのは、自分の診療の一つひとつをとても大切にされ、ふり返りをしながら勉強し経験を次につなげていく姿勢ですね。また、学生さんや初期研修医への教育も、ご自身のスキルの一つだとお考えになっているところに感銘を受けました。もちろん一般小児科や一般内科も教育や振り返りをするのですが、系統立ててご自身のためにも、学生さん、研修医の先生のためにも力を入れている印象があります。一番下の先生にはすぐ上の先生が指導する、その指導をその上の先生がするという指導体制として確立しています。他科でもやっていますが、総合診療は、それを自然にされている印象ですね。
総合診療医ならではの
コーディネート機能を発揮している
総合診療医の力を最も強く感じる場面は、社会的困難事例と向き合う時ですね。地域の多職種との連携の速さや密度など、総合診療医ならではのコーディネート機能を町野先生は自覚的に発揮されています。例えば、施設に入所している子が入院になった場合や、延命措置の有無の確認、ご家族との連絡が取られない時なども、地域の保健師さんや病院のソーシャルワーカー、施設などと迅速に連携されています。
総合診療医の先生方は地域との連携がとても強い先生方ですので、これから増えていくであろう——例えば小児在宅医療の患者さんですとか——小児科に受診に来られないような社会的問題を抱えた家庭のお子さんのピックアップもカバーしてくださると思います。その中で、やはり高度な小児科診療が必要な場合は、小児科にご紹介いただくこともできると思いますし、総合診療で継続して診療するのか、あるいは小児科に紹介が必要なパターンなのかという見極めも、スムーズにしてくださると思いますので、今後の発展をとても期待しています。
町野医師に関係する人々