総合診療医という選択

総合診療医という選択

Career 総合診療医への道

Career 総合診療医への道

総合診療医を育てるプログラム

総合診療医は、新しい基本領域の「専門医」として認定されました。
明確な専門医像のもと、適切な教育能力を持った指導医のサポートを受けつつ、総合診療を実践して省察し、
そこから足らざるを学ぶ3年間の道のりは確かな専門医としての基盤になるでしょう。
「人が好き」、「全身を診られる医師になりたい」という方は、ぜひ検討ください。
日本プライマリ・ケア連合学会では、総合診療専門医制度の導入に先立ち、
2001年から独自に専門医制度を運営しており、現在全国340もの研修プログラムが認定されています。
その基本的な理念は総合診療専門医と共通するものが多く、
多くのプログラムが、新制度に対応して引き続き質の高い総合診療専門医養成にあたることになります。
ここでは、日本プライマリ・ケア連合学会が認定する
後期研修プログラム(正式名「改訂家庭医療後期研修プログラム」)をご紹介します。

なお、日本専門医機構で現在議論している総合診療専門研修プログラムの認定が終わっておらず、
最終的に一部変更となる可能性もありますので、ご注意ください。
総合診療専門研修プログラムの内容が確定しましたら、本HPの内容を更新する予定です。

  • 医学部

  • 研修医(総合診療)

  • 総合診療医

  • 総合診療医を育てる
    体系的な教育体制

    研修は主に「総合診療専門研修」「領域別研修」によって構成されています。
    指導医などと相談しながら、期間や組み合わせの順番等を決めていきます。

    プログラム

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    総合診療の専門性を磨くための総合診療独自の研修パートです。
    総合診療専門研修Ⅰを6ヶ月以上、総合診療専門研修Ⅱを6ヶ月以上を含めた、
    合計18ヶ月以上を必修としています。
    診療所・小規模病院、そして大病院の総合診療部門という異なるタイプの医療機関で、
    2つのスタイルの総合診療を幅広く経験する研修です。

    総合診療専門研修Ⅰ(6ヶ月以上)

    • 診療所や小規模病院における研修。具体的には、24時間体制で患者の健康問題に対応していること、一定の患者に研修期間中継続的な診療を提供することや、同一施設で急性期から慢性期、予防や健康増進、緩和ケアを提供できること、訪問診療ができる体制であることや、受診していない地域住民へ啓発等の働きかけを計画的に実施している施設が対象。
    • 外傷をふくむ日常よく遭遇する症候や疾患への対応、生活習慣病のコントロール、心理社会的問題への対応、認知症を含む高齢者ケアなどの「外来診療」、介護施設と連携した在宅緩和ケアを含む「訪問診療」、それと学校医や地域保健活動などの「地域包括ケア」を含む研修を行うことが求められています。

    総合診療専門研修Ⅱ(6ヶ月以上)

    • 病院総合診療部門における研修。病棟では、高齢者ケアや複数の健康問題を抱える患者、心理・社会・倫理的複雑事例への対応をしていること、緩和ケアや退院支援、在宅患者の入院時対応をしている施設で、外来では、救急外来と初診外来をしており、臨床推論や根拠に基づく医療(Evidence-based medicine)を実践していて、診断困難患者へも対応しているような施設を対象にしています。
    • 研修では、臓器別でない病棟で、主に高度医療技術の必要のない成人や高齢入院患者や複数の健康問題を抱える患者の包括ケア、がん・非がん患者の緩和ケアなどを経験します。外来では、臓器別ではない外来で、救急も含む初診を数多く経験し、複数の健康問題をもつ患者への包括的ケアを経験します。
    • ⅠとⅡ合計で18ヶ月以上が必修
    • ⅠとⅡを経験する年次や期間はキャリア目標に応じて個別で変動

    総合診療を修めるための幅広い学びとして、
    内科(6ヶ月)、小児科(3ヶ月)、救急科(3ヶ月)での研修を必修にしています。
    さらに、その他、研修目標の達成に必要な範囲で
    外科、整形外科、産婦人科、精神科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科など
    総合診療に関連する各科での研修を残りの6ヶ月の期間で選択することも可能です。

    内科(6ヶ月)

    • 内科領域における基本能力(診断学、治療学、手技等)を修得するための研修。
    • 一般内科または臓器別内科において、内科疾患の患者の診療を幅広く経験するほか、病棟の主治医として主に急性期患者の診察を経験します。

    小児科(3ヶ月)

    • 小児領域における基本能力(診断学、治療学、手技等)を修得するための研修。
    • 外来では、指導医のもとで初診を数多く経験し、小児特有の疾患を含む日常的によく遭遇する症候や疾患の対応を経験するほか、救急では、指導医の監督下で積極的に救急外来を担当し、軽症救急を中心に経験します。さらに病棟では、日常的によく遭遇する疾患の入院診察を担当し、外来・救急から入院にいたる流れと基本的ケアを学びます。

    救急科(3ヶ月)

    • 軽症から中等症の救急症例への適切な対応能力を修得するための研修。
    • 救急部門に所属し、指導医のもとで、外科系・小児を含む全科の主に軽症から中等症救急疾患を経験します。
    • 内科、小児科、救急科以外の領域別研修は、各自の希望に応じて柔軟な選択が可能
    • プログラム全体を通して、必修研修を本研修として原則として週4日以上行う
      ただし週最大1日までは必修研修に並行して内科・小児科以外の領域別研修を行うことも可能
      3年間継続して希望する外来を担当することも可能

    研修プログラム構成例

    Example 1

    Example 1

    Example 2

    Example 2

    ※必修以外の領域別研修は、週1日入れていく

    Example 3

    Example 3

    受け入れ可能な
    後期研修プログラム

    具体的なプログラム内容、実施体制、実施場所については下記をご覧ください。
    ご不明はそれぞれのプログラム責任者に気軽にお問い合わせください。
    http://www.primary-care.or.jp/nintei_pg/pg_list02.html

    継続的な成長を支える
    プライマリ・ケア連合学会
    の研修体制について

    <ご注意ください>
    このページの情報は、2017年4月時点での情報に基づいており、プログラムの呼称や内容の一部は、今後変更される可能性があります。

  • 総合診療のプロフェッショナル

研修のゴールと特徴

研修プログラムのゴール

病院、診療所、在宅でも、都市でもへき地でも、総合診療医として、
一人で責任をもって診られるレベルにまで育成できる包括的で手厚い研修プログラムです。

研修プログラムの特徴

自分で考え、自分で道を切り拓くことができるプログラムです。
修了後に進みたいキャリアに応じて、強弱をつけたり、オプションを選択することができます。
指導医は十分な臨床経験がある、まるごと診る総合診療のプロが揃っています。

特徴1

総合診療医になるための
ピースが揃う
モジュール式カリキュラム

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外来/病棟/在宅における診療を、病院、診療所、在宅の形式で合計18ヶ月以上の期間で研鑽できるほか、内科、小児、救急を合計12ヶ月以上、さらには、産婦人科や精神科、皮膚科や眼科、耳鼻咽喉科などから独自に選んで臨床を経験することができます。キャリアに応じてカスタマイズできるプログラムです。初期研修から問題意識をもって飛び込んでくる人にはもちろん、地域開業するにあたり他科専門医から転向してくる人にとっても十二分に学びのある構成です。

特徴2

充実の指導体制

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全国にいる3,600人をこえる指導医は、総合診療の領域で十分な実績をもつ医師たちです。目標設定から振り返りまで、指導医や先輩医師たちが丁寧にフォローアップします。そのほか、勉強会やレクチャー、カンファレンス、ベッドサイド教育、抄読会など、若手医師を育成するための時間が十分に確保されています。
さらに、内科、小児科、救急科の研修では、各学会が求める厳しい要件を満たした診療施設が設定されており、原則的に各領域の専門医・指導医の指導を受けることが必要とされています。だからこそ、内科領域も小児領域も救急領域も、後期研修医としての十分な臨床レベルを確保することができます。

特徴3

振り返りと
ポートフォリオの習慣

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よくある疾患(common diseases)への診療はパターン化されたガイドライン診療で済むわけではありません。生活背景も価値観も異なる患者さんと向き合うからこそ、毎回異なる選択肢をもって、異なる判断が求められます。研修での様々な経験を指導医や先輩医師と振り返り、文章で記録を蓄積し、そこからの新たな発見をポートフォリオにまとめていく中で、包括性や継続性などの総合診療の専門性を学びます。

特徴4

医師一人ひとりの
生活を尊重

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出産や介護などのライフイベントがあっても、指導医や先輩医師たちは好意的に受けとめてくれます。これは、家族や生活背景を念頭に治療方針を決める総合診療では当然とも言えるかもしれません。後期研修中の一時的中断は困難を伴う決断かもしれませんが、周囲のサポートを得やすいこうした環境を活用し乗り越えていきましょう。